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◆DNF公式

◆第一章:特別編
◆第二章:七つの色
◆第三章:預言者
◆第四章:救世主
◆第五章:龍の戦争
◆第六章:一ヶ月前
◆第七章:天界の支配者
◆第八章:七人のマイスター



続きより【第九章 思ったよりも早く】
 今から五百年前。天界。

 機械革命。
 七人のマイスターの意思を受け継いだ天界人々は長きに渡り彼等の研究成果を研究、発展させ、遂に自分達がバカル軍に抵抗出来るだけの力を得る事となったのだ。ある日、天界の人々は皆心を一つにしてバカル軍に同時多発的な攻撃を浴びせ掛けた。天界の全ての都市が人々の荒々しい悲鳴と共に燃え盛っていた。

 バカルは自身の宮殿のバルコニーから、戦争で燃えている街を眺めながらワインを飲んでいた。しかし、彼の余裕の表情には似合わず、彼方此方で耳を裂く爆発音が連続的に聞こえていた。

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「もう……時が来たのか」

 バカルは後ろを向かずに言葉を零した。

「思ったよりも早く尋ねて来たな。ヒルダー」

 するとバカルの背後の闇の中から一人の女性のシルエットが静かに姿を現わした。

「本当に長きの間私の行く手を妨げてくれましたわね。けど、これ以上はなりません。バカル様」

 ヒルダーはバカルの横に並び立ち、バカルと同じ方向を眺めた。そこには燃え盛る都市。

「少し早いのではないか? まだこの世界には俺の相手足る存在は居らんというのに。もしや、天界人があの玩具の如き機械の塊を幾つか造った程度で俺の最期が見れる、と此処まで来た訳ではないのだろう?」

「勿論違いますわ」

 ヒルダーは少し焦らすようにしてから言葉を続けた。

「しかし、未来から来た友人達ならどうでしょうか」

「くくく……未来……随分と急いでいるようだな。ヒルダー」

 初めてバカルは首を回してヒルダーを見詰めた。

「彼等は俺に挑戦する程特別なのか?」

 ヒルダーはじっとバカルの目を見詰めて口を開いた。

「おそらく」

 バカルの眼付きがその瞬間、背筋が凍るほどに鋭くなり彼の全身から黒いオーラが吹き始めた。鉄の塊が裂かれるようなバカルの荒い奇声が大地を震わせる。それにもヒルダーは表情を変える事なく彼の手から落ちるワイングラスを無心に眺めていた。彼女を覆ったバカルの影はますます巨大になり、周囲を暗闇に塗り潰した。

「使徒達ですら俺をどうする事も出来んのに」

 バカルは何時の間にか巨大な黒龍へと姿を変えヒルダーを見下ろした。

「敢えて誰が、俺を相手に出来るというのか!」

 天地を覆うかの如く巨大な威容を誇って豪快に笑う黒龍を、ヒルダーは依然として無表情に見上げていた。いや、実は彼女の口元には非常に小さな笑みが浮かべられていたが、バカルには見えていないだけであった。


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2011.02.16 Wed l アラド戦記 世界観 l COM(0) TB(0) l top ▲

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